アスベスト廃棄物の最終処分ガイド|飛散性・非飛散性の処理先・埋立処分場・不法投棄リスク

公開日:2026-05-27 最終更新:2026-10-11

本記事は廃棄物処理に関する参考情報を提供します。 アスベスト廃棄物の運搬や処分を他人に委託するときは、許可業者への委託が法令上の義務です(廃棄物処理法12条5項・12条の2第5項)。処理の基準に反する処理や不法投棄は重大な法令違反となります。具体的な処分方法については許可業者・各都道府県の廃棄物担当窓口にご確認ください。2026年10月時点の情報です。

アスベスト廃棄物は飛散性(特別管理産業廃棄物)と非飛散性(産業廃棄物)に区分され、それぞれ異なる処理経路・処分場の基準があります。運搬・処分を委託するときはいずれも許可業者への委託が必須で、排出事業者(解体・除去工事では元請業者)にはマニフェストの交付と5年保存の義務があります。廃棄物処分業者の許可番号確認がマニフェスト受け取り後の最重要確認事項です。

アスベスト廃棄物の最終処分ガイド|飛散性・非飛散性の処理先・埋立処分場・不法投棄リスク

アスベスト廃棄物の2分類(飛散性vs非飛散性)

廃棄物処理法上、アスベスト廃棄物は飛散性(特別管理産業廃棄物)と非飛散性(産業廃棄物)に区分されます。この区分により収集運搬・処分の要件が大きく異なります。

区分該当する建材レベル廃棄物処理法上の分類処分方法
飛散性アスベスト廃棄物主にレベル1・レベル2の除去廃棄物特別管理産業廃棄物(廃石綿等)溶融などの処理、または固型化等の後に二重こん包して管理型の最終処分場に埋立
非飛散性アスベスト廃棄物主にレベル3の成形板除去廃棄物石綿含有産業廃棄物(材質に応じてがれき類・ガラスくず等・廃プラスチック類などに区分)ほかの物と区分して運び、最終処分場の一定の場所に分散しないように埋立(品目により安定型または管理型)

「レベル1・2の吹付け材・保温断熱材」は除去時にアスベスト繊維が容易に飛散するため特別管理産業廃棄物として厳格な処理が求められます。「レベル3の成形板」は発じん性が低いですが、石綿含有産業廃棄物として、破砕しないように、ほかの物と区分して運び、処分場の一定の場所に分散しないように埋め立てる基準があります(廃棄物処理法施行令6条)。

飛散性アスベスト廃棄物の処理フロー

飛散性アスベスト廃棄物の処理フロー

飛散性アスベスト廃棄物(廃石綿等・特別管理産業廃棄物)は、運搬・処分を委託するときは特別管理産業廃棄物の許可業者に委託し、溶融などの処理をするか、固型化などの措置と二重のこん包をしたうえで最終処分場に埋め立てる基準があります(廃棄物処理法12条の2第5項・同法施行令6条の5)。

処理フローの各ステップ

  1. 除去作業現場での梱包:粉じんが発散しないように堅固な容器を使うか確実に包装し、見やすい箇所に石綿等が入っていることと取扱い上の注意事項を表示(石綿障害予防規則32条)
  2. 特別管理産業廃棄物収集運搬許可業者による収集:特別管理産業廃棄物収集運搬業の許可(事業の範囲に廃石綿等を含むもの)を持つ業者が運搬
  3. 処分先への搬出:特別管理産業廃棄物処分業の許可(廃石綿等)を持つ施設に搬出。溶融などで処理する場合と、埋め立てる場合があります
  4. 埋立処分:あらかじめ固型化・薬剤による安定化などの措置をとり、耐水性の材料で二重にこん包したうえで、最終処分場の一定の場所に分散しないように埋め、表面を土砂で覆うなどの措置をとる(廃棄物処理法施行令6条の5第1項3号ワ)。埋め立てる場所は、浸出液による汚染を防ぐ措置がとられた処分場(管理型)の基準によります(同号ハ)
  5. マニフェストによる管理:収集運搬・処分の各段階でマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付。解体・除去工事では元請業者が排出事業者となり、交付したマニフェストの写しと返送されたB2票・D票・E票を5年間保存(廃棄物処理法21条の3第1項・12条の3)。施主は写しを受け取って保管すると安心

非飛散性アスベスト廃棄物の処理フロー

非飛散性アスベスト廃棄物(レベル3成形板等)は、材質に応じた産業廃棄物の種類に区分し、石綿含有産業廃棄物として扱います。ほかの物と混ざらないよう区分して運び、処分場の一定の場所に分散しないように埋め立てる基準があるため、一般のがれきと混ぜて処分することはできません(廃棄物処理法施行令6条)。

  1. 現場での分別:アスベスト含有成形板を他の解体廃棄物と分別して収集
  2. 産業廃棄物収集運搬許可業者による収集:許可の事業の範囲に、運ぶ石綿含有産業廃棄物が入っている業者が、破砕しないように、ほかの物と区分して運搬
  3. 最終処分:品目に応じて安定型または管理型の最終処分場の一定の場所に、分散しないように埋め立て、表面を土砂で覆うなどの措置をとる
  4. マニフェスト管理:飛散性と同様にマニフェストを交付・保管

非飛散性だからといって一般の解体廃棄物(木くず・コンクリートがら等)と混合して処分することは、廃棄物処理法の処理の基準に反します。分別と区分した処分が適切に行われているかの確認が重要です。

最終処分場の種類と受入基準

アスベスト廃棄物を受け入れる最終処分場は廃棄物処理法上の許可を受けた施設に限られます。全ての処分場がアスベスト廃棄物を受け入れているわけではありません。

処分場の種類アスベスト廃棄物との関係根拠(廃棄物処理法施行令)
管理型最終処分場廃石綿等(特管)を埋め立てる場所の基準。石綿含有産業廃棄物も受け入れられる6条の5第1項3号ハ・ワ、6条
安定型最終処分場安定型産業廃棄物(がれき類・ガラスくず等・廃プラスチック類など)だけを埋め立てる場所。特別管理産業廃棄物である廃石綿等は入らない。品目が安定型産業廃棄物の石綿含有産業廃棄物は、受け入れている施設がある6条1項3号・7条14号ロ
遮断型最終処分場有害物質を基準を超えて含む燃え殻・汚泥などのための場所で、廃石綿等はこれに当たらない6条の5第1項3号イ・ロ、7条14号イ

処分場の受入可否・料金は個別施設により異なります。工事業者が処分場の許可番号を確認した上で搬出先を決定することが原則です。建物所有者としては「処分場の許可番号と受入品目の確認」をマニフェストで確認してください。

許可業者の確認方法

許可業者の確認方法

産業廃棄物の収集運搬業・処分業の許可は都道府県知事が出します(一部の事務は指定都市・中核市の市長。廃棄物処理法14条・同法施行令27条)。許可の内容は、業者に許可証の写しを出してもらうか、都道府県などが公表している許可業者の一覧で確認します。

  • 許可証の写し:見積もりの段階で、収集運搬業者・処分業者それぞれの許可証の写しを求める
  • 確認先:許可業者の一覧を公表している都道府県・市もあります。分からないときは都道府県の産業廃棄物担当窓口に問い合わせる
  • 確認事項:①許可有効期限②取り扱い可能品目(石綿含有廃棄物が含まれるか)③廃石綿等(飛散性)を出す工事では、特別管理産業廃棄物の収集運搬・処分業許可の有無(成形板などの石綿含有産業廃棄物は産業廃棄物の許可で扱える)
  • 複数都道府県にまたがる運搬:運搬だけを行う場合、積込み・積卸しをする区域を管轄する都道府県ごとに許可が必要(廃棄物処理法14条1項。特別管理産業廃棄物は14条の4第1項)

見積書に記載された収集運搬業者・処分業者の許可番号を事前に確認し、許可有効期限・取扱品目に石綿含有廃棄物が含まれているかを確認してください。

マニフェスト後の確認事項

工事完了後は、工事業者(元請業者)にE票(最終処分終了票)などの写しを求め、記載内容を確認して保管しておきましょう。適切に処理されたことを確かめる手がかりになります。

  • 収集運搬業者・処分業者の許可番号が記載されているか
  • 廃棄物の種類(石綿含有廃棄物・特別管理産業廃棄物等)が正確に記載されているか
  • 処分方法(埋立処分等)が記載されているか
  • 処分年月日・処分場名が記載されているか
  • マニフェスト番号でA票・B2票・C2票・D票・E票の一致が確認できるか

E票の受領後に内容に疑問がある場合は工事業者に確認を求めてください。E票を受け取れない・内容が不明な業者は不法投棄のリスクがある可能性があります。

不法投棄のリスクと排出事業者(元請業者)の責任

解体・除去工事の廃棄物は元請業者が排出事業者となり(廃棄物処理法21条の3第1項)、不法投棄などが起きた場合は措置命令や刑事罰の対象となる可能性があります(同法19条の5・19条の6ほか)。施主は、許可を持つ業者が適正に処理しているかを契約前とE票の写しで確かめることが、トラブルを避ける備えになります。

  • 廃棄物処理法の不法投棄罰則:5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金またはその併科(法人は3億円以下の罰金。廃棄物処理法25条1項14号・32条1項1号)
  • 排出事業者責任:解体・除去工事の廃棄物は元請業者が排出事業者となり、許可業者への委託とマニフェストの交付の義務を負う(廃棄物処理法21条の3第1項・12条の3)
  • 委託基準違反:許可のない業者に処理を委託すると、委託した排出事業者(元請業者)が5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金またはその併科の対象(廃棄物処理法25条1項6号)。不法投棄などが起きたときの措置命令の対象にもなりうる(同法19条の5)
  • マニフェストでの確認:施主はE票などの写しを受け取ることで、許可業者に委託され最終処分まで終わったかを確かめられる

費用の安さだけで業者を選ぶと、廃棄物が適正に処理されないおそれがあります。許可番号の確認と、E票などの写しを受け取って保管しておくことが、建物所有者にできる確かめ方です。

よくある質問

Q1. アスベスト廃棄物はゴミとして捨てられますか?

A. できません。吹付け材や保温材などの除去で出る「廃石綿等」は特別管理産業廃棄物で、運搬や処分を他人に委託するときは特別管理産業廃棄物の許可業者に委託しなければなりません(廃棄物処理法12条の2第5項)。埋め立てる場合は、固型化などの措置をしたうえで耐水性の材料で二重にこん包し、最終処分場の一定の場所に分散しないように埋めるなどの基準があります(同法施行令6条の5)。廃棄物をみだりに捨てる不法投棄は、5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金またはその併科(法人は3億円以下の罰金)の対象となります(廃棄物処理法25条1項14号・32条1項1号)。

Q2. マニフェストを受け取ったが何を確認すればよいですか?

A. 解体・除去工事の廃棄物は、元請業者が排出事業者となり、マニフェストの交付と5年間の保存を行います(廃棄物処理法21条の3第1項・12条の3)。施主は工事業者にE票(最終処分終了票)などの写しを求め、収集運搬業者・処分業者の許可番号・処分方法・処分年月日を確認しましょう。写しを工事の書類と一緒に保管しておくと、適切に処理されたことを後から確かめる手がかりになります。

Q3. 非飛散性アスベスト廃棄物(レベル3成形板)はどこで処分しますか?

A. 非飛散性アスベスト廃棄物(旧レベル3・スレート・Pタイル等の成形板)は、材質に応じた産業廃棄物の種類(がれき類、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず、廃プラスチック類など)に区分したうえで、石綿含有産業廃棄物として扱われます。破砕しないように、ほかの物と混ざらないよう区分して運び、埋め立てるときは最終処分場の一定の場所に分散しないように埋め、表面を土砂で覆うなどの基準があります(廃棄物処理法施行令6条)。石綿含有産業廃棄物を受け入れている産業廃棄物の最終処分場に搬出します。

まとめ

アスベスト廃棄物は飛散性(特別管理産業廃棄物)と非飛散性(石綿含有産業廃棄物・ほかの物と区分して処分)に区分され、運搬・処分を委託するときはいずれも許可業者への委託が義務です。マニフェストの交付と5年間の保存は排出事業者である元請業者の義務です。建物所有者はE票などの写しを受け取って保管し、適正に処理されたかを確かめましょう。廃棄物処分業者の許可番号確認と、不審な業者(マニフェストを出さない・処分場を教えない)への発注回避が不法投棄リスクを防ぎます。

参考リンク(公的一次ソース)

アスベスト廃棄物処理・マニフェスト対応のご相談

飛散性・非飛散性アスベスト廃棄物の適正処理を許可業者が担当。マニフェスト交付・5年保管対応済み。不法投棄リスクゼロの適法処理をご提供します。全国47都道府県対応。

050-6881-1319 受付時間 9:00〜20:00(年中無休) 無料見積もりフォーム
最終更新: 2026-10-11
電話で相談 フォームで相談