石綿作業主任者とは|資格取得方法・試験内容・役割を徹底解説

公開日:2026-05-19 最終更新:2026-10-11

※ 本記事に記載の費用相場・補助金額・統計・登録者数・法令等の数値は、記事の作成・更新時点の情報です。法令改正や制度改定により変わるため、最新の情報は各自治体公式サイト(.lg.jp)・厚生労働省・国土交通省・環境省の公表値を必ずご確認ください。

石綿作業主任者とは、労働安全衛生法に基づき、石綿等を取り扱う作業(除去作業など)で労働者を指揮する作業主任者です。石綿作業主任者技能講習(4科目・合計10時間の学科講習と修了試験)の修了者から選任することが義務付けられています。

アスベスト(石綿)を取り扱う作業現場では、労働者の健康障害を防止するために、専門的知識を持つ責任者を配置することが法律で義務付けられています。それが「石綿作業主任者」です。本記事では、資格の概要・取得方法・職務内容・関連資格との違いを、労働安全衛生法と石綿障害予防規則の条文に沿って詳しく解説します。

石綿作業主任者とは|資格取得方法・試験内容・役割を徹底解説

石綿作業主任者とは何ですか?

労働安全衛生法に基づく作業主任者の一つで、石綿等を取り扱う作業を指揮・監督する責任者です。除去・封じ込め・囲い込みなど石綿等を取り扱う作業では選任が義務付けられています。

石綿作業主任者は、労働安全衛生法第14条と石綿障害予防規則第19条に基づく作業主任者の一種です。都道府県労働局長の登録を受けた者が行う石綿作業主任者技能講習を修了した者のうちから選任します(労働安全衛生法第14条)。

事業者は、選任後にその氏名と行わせる事項を、作業場の見やすい箇所に掲示するなどして関係労働者に周知しなければなりません(労働安全衛生規則18条)。

石綿作業主任者の職務は何ですか?

石綿作業主任者の職務は何ですか?

作業方法の決定・労働者の指揮、装置の月1回以上の点検、保護具の使用状況の監視の3つが、石綿障害予防規則第20条で定められた職務です。

石綿障害予防規則第20条で規定される石綿作業主任者の職務は、次の3つです(4つ目と5つ目は条文の列挙ではなく、実務で主任者に求められることの例です):

  • 作業方法を決定し、労働者を指揮すること
  • 局所排気装置・プッシュプル型換気装置・除じん装置その他労働者が健康障害を受けることを予防するための装置を1ヶ月を超えない期間ごとに点検すること
  • 保護具の使用状況を監視すること
  • (実務上の例)労働者の健康障害を防止するために必要な事項を関係労働者に周知させること
  • (実務上の例)作業時に異常を認めた場合、直ちに必要な措置を講ずること

資格取得にはどのくらいの時間と費用がかかりますか?

4科目・合計10時間の学科講習と修了試験です。日程の組み方や受講料は実施団体(都道府県労働局長の登録を受けた登録教習機関)ごとに異なるため、申し込む機関の案内で確かめてください。

技能講習の科目は石綿障害予防規則第48条の5、科目ごとの講習時間は石綿作業主任者技能講習規程(平成18年厚生労働省告示第26号)で定められています(厚生労働省の掲載で2026年10月11日に確認):

科目 時間
健康障害及びその予防措置に関する知識2時間
作業環境の改善方法に関する知識4時間
保護具に関する知識2時間
関係法令2時間
学科講習の合計10時間
修了試験筆記試験または口述試験(講習規程第3条)

技能講習を行うのは、都道府県労働局長の登録を受けた登録教習機関です(労働安全衛生法第14条)。受講の条件・日程・受講料は、申し込む機関の案内で確認してください。

建築物石綿含有建材調査者との違いは何ですか?

建築物石綿含有建材調査者との違いは何ですか?

役割が異なります。石綿作業主任者は除去作業現場の指揮・監督、建築物石綿含有建材調査者は解体・改修前の事前調査が担当業務です。

混同されやすい資格として、以下の3つがあります:

資格 主な役割 根拠法
石綿作業主任者除去・封じ込め作業現場の指揮監督労働安全衛生法
建築物石綿含有建材調査者解体・改修前の建材調査石綿障害予防規則第3条第4項・大気汚染防止法施行規則第16条の5(調査を行わせる者として告示で定める)
石綿取扱作業従事者(石綿使用建築物等解体等業務特別教育)現場作業員(特別教育修了者)労働安全衛生法第59条第3項・石綿障害予防規則第27条

アスベスト除去工事を依頼する際は、これら全ての資格保有者が揃っている業者を選ぶことが重要です。

選任しないとどのような罰則がありますか?

労働安全衛生法違反として6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります(同法第119条第1号)。

石綿作業主任者の未選任は労働安全衛生法第14条違反となり、同法第119条第1号により6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です。また、両罰規定(同法第122条)により法人も罰金刑の対象となります。

労働者災害が発生した場合は、業務上過失致死傷罪などのより重い刑事責任を問われる可能性もあります。

業者選びで石綿作業主任者をどう確認すべきですか?

見積もり時に在籍人数の確認、修了証コピーの開示要請、現場配置の確認の3点をチェックしましょう。

信頼できる業者は、石綿作業主任者の修了証コピーを依頼すれば速やかに開示します。開示を渋る業者や「資格者はいる」と口頭でしか説明しない業者は避けるべきです。さらに以下も確認しましょう:

  • 石綿作業主任者の在籍人数(工事の現場ごとに選任できる体制か)
  • 建築物石綿含有建材調査者(特定・一般)の在籍人数
  • 石綿取扱作業従事者特別教育の実施記録
  • 建設業許可番号と業種(請負代金500万円以上の工事。業種は工事の内容による)
  • 産業廃棄物収集運搬業許可(都道府県別)

よくある質問

Q1. 石綿作業主任者は誰でも受講できますか?

A. 受講の条件は、申し込む登録教習機関の案内で確認してください。石綿作業主任者技能講習は、告示で定められた4科目・合計10時間の学科講習と修了試験で行われます(石綿作業主任者技能講習規程)。

Q2. 石綿作業主任者の選任は義務ですか?

A. 労働安全衛生法14条と石綿障害予防規則19条により、石綿等を取り扱う作業では、技能講習の修了者から石綿作業主任者を選任しなければなりません。違反は6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です(労働安全衛生法119条1号)。

Q3. 建築物石綿含有建材調査者との違いは?

A. 石綿作業主任者は除去作業現場の指揮・監督が役割、建築物石綿含有建材調査者は事前調査の実施が役割です。業務範囲が異なるため、両方の資格者がいる業者を選ぶと安心です。

まとめ

石綿作業主任者は、アスベスト除去工事における労働者と近隣住民の健康を守る最後の砦です。技能講習の修了が選任の条件ですが、実際の職務には現場の知識と経験も必要です。業者選定時は必ず有資格者の在籍を確認し、修了証の開示が可能な業者を選びましょう。

参考リンク(公的一次ソース)

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