アスベスト事前調査の義務化(2023年10月〜)完全ガイド
公開日:2026-05-19 最終更新:2026-05-19
2023年10月の大気汚染防止法・石綿障害予防規則の改正により、解体・改修工事を行う前のアスベスト事前調査が、建築物石綿含有建材調査者など有資格者による実施が義務化されました。
2006年9月のアスベスト全面禁止以降、新規使用は不可能ですが、既設建物には現在も約300万棟(推計)が残存していると言われています。2028年の解体ピークを前に、事前調査の重要性はますます高まっています。本記事では、2023年10月施行の制度改正のポイント、有資格者要件、罰則を、公的データに基づいて整理します。
事前調査の対象となる工事はどれですか?
建築物の解体・改修・補修工事は、規模を問わずすべてが事前調査の対象です。延べ80㎡以上の解体工事は調査結果報告も義務となります。
対象となる工事は以下の通りです(環境省・厚生労働省 共同省令より):
- 建築物の解体工事(規模問わずすべて)
- 建築物の改修・補修工事(規模問わずすべて)
- 工作物(煙突・配管・ボイラー等)の解体・改修工事 ※2026年1月から有資格者調査必須化
さらに、以下の規模を超える工事は、調査結果を都道府県へ電子報告する義務があります(2022年4月〜):
- 建築物の解体工事:延べ床面積80㎡以上
- 建築物の改修工事:請負金額100万円以上(税込)
- 工作物の解体・改修工事:請負金額100万円以上(税込)
調査を行える有資格者とは?
建築物石綿含有建材調査者(特定・一般・一戸建て等の3区分)または石綿に関し一定の知識を有する者として講習を修了した者が実施可能です。
建築物石綿含有建材調査者制度は、国土交通省・厚生労働省・環境省が共管で運用する資格制度です。3つの区分があります:
| 区分 | 調査可能な建築物 | 受講時間 |
|---|---|---|
| 特定建築物石綿含有建材調査者 | すべての建築物 | 2日間+実地研修 |
| 一般建築物石綿含有建材調査者 | 一戸建て以外の建築物 | 11時間+修了考査 |
| 一戸建て等石綿含有建材調査者 | 戸建・共同住宅の住戸内 | 7時間+修了考査 |
※ 2023年12月時点で約186,000人が登録されています(出典: 国土交通省)。
違反した場合の罰則は?
事前調査義務違反は3ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金、作業基準適合命令違反は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。
| 違反内容 | 根拠法 | 罰則 |
|---|---|---|
| 事前調査義務違反 | 大気汚染防止法 | 3ヶ月以下の懲役 / 30万円以下の罰金 |
| 作業基準適合命令違反 | 大気汚染防止法 | 6ヶ月以下の懲役 / 50万円以下の罰金 |
| 調査結果の3年間保存義務違反 | 石綿障害予防規則 | 6ヶ月以下の懲役 / 50万円以下の罰金 |
| アスベスト廃棄物の不法投棄 | 廃棄物処理法 | 5年以下の懲役 / 1,000万円以下の罰金 |
どこに依頼すれば良いですか?
建築物石綿含有建材調査者を有する専門業者に依頼してください。国交省の登録名簿で資格保有を確認できます。
業者選定時には、以下を確認しましょう:
- 建設業許可番号(特定/一般・とび土工工事業)の保有
- 産業廃棄物収集運搬業許可(都道府県別)の保有
- 建築物石綿含有建材調査者(特定・一般)の在籍人数
- 石綿作業主任者の在籍人数
- 過去の調査実績・施工事例の開示可否
- 分析調査機関との連携(JIS A 1481準拠の精度確保)
まとめ
2023年10月以降、アスベスト事前調査は法律上の義務であり、有資格者なしで実施した場合は法令違反となります。2028年の解体ピークを前に、有資格者の予約が混雑し始めているため、早めの問い合わせをお勧めします。